焼き入れ後の加工とは
焼き入れ後の加工は、金属の熱処理のひとつとして非常に重要な工程です。
焼き入れは、金属を高温に加熱し、その後急冷することで硬化させる熱処理法ですが、焼き入れを行った後の金属には、加工を進める上で注意が必要な点がいくつかあります。
焼き入れ後の金属は、硬化の結果としてその強度が増しますが、同時に脆くなることもあります。急冷によって金属内部に歪みが生じたり、応力が蓄積されるためで、焼き入れ後には後処理を行うのが一般的です。
後処理の主な方法には、焼き戻し、研削、機械加工などがあります。
焼き戻しは、金属の硬さを調整するために、焼き入れ後に再度加熱して冷却する方法で、金属の硬さや脆さを調整し、適切な特性を持たせることができます。また、焼き入れ後の金属に対しては、機械加工が行われることがよくあります。
硬い金属を加工するためには、高い切削能力を持つ工具を使用する必要があります。特に、精密な寸法や仕上げ面が要求される部品においては、焼き入れ後の加工が非常に重要です。
焼き入れ後の金属は、その硬さを活かして、自動車のギアや工具、機械有品などさまざまな工業部品に使用されます。これらの部品には、高い耐摩耗性や耐久性が求められるため、焼き入れ後の適切な加工が不可欠です。加工精度が重要であるため、後処理や機械加工の段階での細かな調整が求められます。
さらに、焼き入れ後の金属には、表面の不均一性や歪みが生じることがあることから、研削や平面研削などで表面を仕上げ、寸法精度を向上させることが必要です。研削作業は、金属の表面に微細な加工を施し、滑らかで高精度な仕上げを実現するために行われ、部品の機能性や外観を改善することができます。